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Baader社製「MORPHEUS(モーフィアス)」アイピースについて②

それでは実際の見え味です。

評価については共通で以下の望遠鏡を使いました。

タカハシ FSQ85ED (D 85mm / FL 450mm . F5.3)
タカハシ TSA102N (D 102mm / FL 816mm . F8)
タカハシ TOA150B (D150mm / FL 1100mm . F7.3)

そして、わたくし自身が「メガネ使用者」ということで、主にメガネをかけた状態でのインプレッションになります。

今回は短焦点域の「MORPHEUS 4.5mm」について。



比較には以下のアイピースを使いました。

PENTAX XW 5mm      見掛け視界 70°(広角)
PENTAX XO5mm       見掛け視界 44°
Nikon NAV-5SW        見掛け視界 72°(広角)

MORHEUS 4.5mm(以下、モーフィアス)は全体的に周辺までよく収差が補正されています。見掛け視界はきちんと76°はあるようで、XW 5 (以下、XW)やNAV-5SW(以下、NAV)と比較しても広く感じます。昼間の景色で周辺星像に影響を与える「歪曲収差」を確認してみました。広角の範疇に入る三本のうちではNAVと並んで歪曲が少ないです。XWは二つと比較して明らかに歪曲が残ってます。

ここで気を付けなくていけないことがあります。天体用の広角アイピースは「角倍率の歪」にも配慮する必要があります。

→(参考)「ナグラーやイーソスは歪曲収差がひどい」

要は「天体用の広角アイピース」は、意図的に「歪曲収差」を残す設計が必要な場合があるということです。

このことを頭にいれて対象に土星や火星を入れてみると・・・。上記の収差特性から想像されるとおり、やはり NAV と モーフィアス は視野の縁で形がゆがみます(つぶされる感じ)。ただし両方とも視野の中心から周辺に向かって90%あかりから急に歪んでくるのと、程度も軽微なのであまり気にする必要はないようです。一方でXWは、視野周辺でもほとんど形が歪みません。土星などがそのままのイメージで視野の外にはずれていく見え方は見事です。もう一つ、周辺収差に大きく影響する「倍率の色収差」はNAVが一番少なく、モーフィアスとXWはそれよりは少し発生して同等という印象です。

中心像の解像度に関してはモーフィアス、XW、NAVはほぼ同等。どれも良く見えますがカラーイメージは若干違います。XWが明るくナチュラルなイメージに対してNAVは黄色味がかかります。モーフィアスはその中間という感じです。なお、このカラーイメージはコントラストに影響してるかもしれないようで、火星面のコントラストの低い模様はNAVが一番良く見えるようでした。なお、中心像に関しては広角ではないXO 5mmも比較してみましたが、シャープネス、明るさは広角系と比較するとやはり一枚上で、土星のエッジの切れ、火星面の極冠の光輝く様子などで実感しました。

さて、MORPHEUS4.5mmについて気になったことを一つ。

「ブラックアウトしやすい」。かな・・・?

この傾向は特に昼間の景色を見ているときに強く感じました。夜、惑星を見てる場合は対象だけ見えてればいいのと、視野内が暗い場所が多いので些細なブラックアウトはあまり気になりません。しかし明るい昼間の景色だと、特に自分のようにメガネをかけてるとアイポイントに目をもってきて安定させるのが難しいと感じました。天体でも月面を見ると気になるかもしれません(今回、これで月は見られなかった)。またメガネ併用ではアイレリーフも十分ではなく全視野を見渡すことが難しいです(そもそも、メガネ併用を前提にするならアイレリーフ20mmは必要。そのことに真剣に考慮して設計されてアイピースは本当に少ないです)。一方でダイアゴナルを介さない「直視」で土星や火星を見ている(仰角20~30度くらい)ときは、なぜかメガネをかけていても全視野を見渡せます。これはどうした理由によるものか・・・と考えた結果、「目を置く位置と角度」が違ってくるのではという結論に達しました。ここでふと気づきました。アイピースの「アイカップ」です。XW と NAVはともに秀逸なアイカップが付いていて、最良の位置に目を安定させることができます。モーフィアスはぜひ「アイカップ」の改善をお願いしたいです。それだけで上記のブラックアウトの問題やメガネ使用者の評価も大きく変わると思います。

全体としてMORPHEUS 4.5mmは、光学性能的に「非常に高い次元のバランスでまとめられた」アイピースだと思います。XW や NAV と比較して広角(見掛け視界 76°)でこの収差特性とバランスを実現したことは素晴らしいと思います。一方で「強烈な個性」があまり感じられませんでした(「覗きやすさ。ナチュラルな色再現」のXW。「高いコントラストのNAV」。「抜群のシャープネスと明るさのXO」みたいな)。あえて言うと「より広角」ということが個性なのかもしれませんが、個人的には追尾する前提だとこの焦点域には広角の必要性は強くは感じないのが評価を低くしてるのかもしれません。経緯台やドブソニアンなどに使う場合は評価が変わってくるかもしれません。



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コメント

No title

こもロハスさん、こんばんは。
モーフィアスアイピースのインプレありがとうございます。さすが的確で自分が覗いているかのように感じることが出来ました。
結果的にはまあまあって感じでしょうか?C/P的には如何でしょう?
僕のような貧乏人には、絶対的な性能よりC/Pが気になります。是非価格も加えた評価をお願いします。

No title

> のんたさん
コメントありがとうございます。
結果的には…非常によいアイピースですが、手持ちの似たスペックのアイピースから変えるまでのインパクトは無かった…という感じです。
ただ、これは4.5mmに関してです。17.5mmだとまた評価は変わってきます。
C/P面でいうと4.5mmのほうは、XWやNAVが実売3万円以下なのを考慮するとちょっと高い。一方で17.5mmは良いと感じます。
17.5mmの詳細は「次回に( ̄∀ ̄)

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