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屈折望遠鏡に新たな時代到来か?!

こんにちは。

先月に膝を手術して、だいぶ経過も良く。暖かくなってきたのでうきうきしてる今日このごろです。月末に所属する「八ヶ岳スタークラブ」の「メシエ・マラソン」があります。TOA150Bで参加しようと思いましたが、しかしながらまだ重量級機材を運ぶのは無理そうです。

さて。題目に写りますが、タカハシから新型フローライト・アポクロマートの「FOA-60」が発売されます。



FOA-60 仕様

形式フローライト オルソ アポクロマート
有効口径60mm
焦点距離530mm
口径比1: 8.8
鏡筒径68mm
鏡筒全長565mm (フード収納時は510mm)
質量1.8kg
ファインダー6倍30mm または 無し


なぜ今さら「6㎝?」と思いましたが、どうやら夏の「北米皆既日食」特需に向けた商品展開みたいです。しかし、いろいろと情報を探ってみるとこの望遠鏡に隠されたタカハシの意図が見えてきました。....いや、マニア同志の雑談の中からなので正確ではないかもしれませんが、この望遠鏡はなかなかチャレンジングな製品なのかもしれません。



上が「FOA-60」の球面収差図ですが....。すごいですよね。TOA光学系にはちょっと及びませんが、各波長の焦点位置の差/球面収差が、従来の二枚玉のフローライト/EDアポクロマートと比較にならないくらいに少ないです。二枚玉でこんな設計が出来るなんてビックリです。

ちなみに、最近は笠井トレーディングからも新型のアポクロマート屈折望遠鏡が発売されました。


                           「PERFETTO-80」

口径80mm/焦点距離800mmの比較的長焦点のアポクロマート屈折望遠鏡です。多少お値段が張りますが、購入した知人が言うには素晴らしい性能だそうです。この望遠鏡の広告には次のように書かれてます。

「本機の対物レンズには、あえてフローライトに匹敵する色収差補正が可能なOHARA社のS-FPL53を採用し、更に相手玉には同じくOHARA社のLAL系ランタン素材を贅沢に使っています。」

昔、ビクセンから発売されていたフローライト屈折望遠鏡の「FLシリーズ」は、当時としてはフローライトに最も相性がいい「KzF5(クルツフリント)」が使われて、タカハシのFCシリーズより結像性能が高い...と評判でした。しかしながら、最近ではKzF5よりより高屈折率の「LAK-LAL」などの新種のランタンクラウン・ガラスが開発されて市場に供給され始めたようです。上記二機種は、おそらくそのような新素材が使われてるのかもしれません(あくまで推測です。)。フローライトやEDガラスは、「低分散、異常部分分散」という特性を持っていますが、その反面「低屈折率」という特性もあるために短焦点にするにはレンズの曲率をより強くしなければならないため、球面収差補正にはむしろ不利です。その弱点をこれらの新種ガラスが解決してくれる可能性があるようです。「FOA-60」は更に二枚のレンズの間隔を通常の錫箔分離ではなくて適性に離した設計になってるようです。こうすることで更に球面収差の補正に寄与させたのかもしれません。

このように「FOA-60」は、一見すると「皆既日食遠征用の小型屈折望遠鏡」に見えますが(もちろんその要素は多いにあります)、タカハシが屈折望遠鏡の更なる可能性を世の中に問う「意欲作」なのかもしれません。このままの性能を維持して、より大口径。低価格に提供されるようになると屈折望遠鏡の新しい時代が来るかもしれませんね。


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コメント

No title

本体のみファインダー無しで117000円ね。
システマチックに行くなら、FS60Qの97000円の方が楽しそうな気がするけど、2万円分の違いがアイちゃんみたいな素人でも分かるかしら?
RD対応してないって所も気になりますね。

No title

> アイちゃん
「小口径で星野撮影適正がなく高価」。実用面とコストパフォーマンスでは、従来機に勝るところは自分も正直無いと感じてます。ただ、初期のフローライトアポクロマートやTOA光学系。テレビューの超広角アイピースなど、最初は「眉唾物」と見られていても、その後ユーザーの天文趣味スタイルを変えてしまった物もあります。タカハシはユーザーに合わせるのではなく「ユーザーをリード」してきたメーカーなので、この望遠鏡がどのように市場に受け入れられるかは興味があります。
…と、ここまで書いてきてなんですが、自分は日食にも行きませんし、6㎝にこれだけ投資する気はありませんが…(^_^;)
タカハシにしても、様子見なので最小口径からのリリースなのでしょうね。

No title

こもロハスさん、こんにちは。
FOA-60、今後の展開が興味津々ですね。前群2枚で色毎の球面収差(Spherochromatism )を最小化して像面コントラストを上げる設計、実はTeleVueの望遠鏡には1982登場のMPT以降全てのものに採用されているんですよ。2枚玉のTV-60,76,85はもちろん、ペッツヴァールの前2枚にも同様の設計が織り込まれています。組付け調整は大変でしょうけれどね。

No title

PERFETTO-80EDの対物も、現物をよく見ると錫箔分離式ではなく、ある間隔を開けて配置してあるように見えます。もしそうならFOA-60と設計が似ているかもしれないですね。
SN01847/L106-41でした(^-^)。

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> vet*71*2*0819さん
こんにちは。コメントありがとうございます。Televue-85が登場したころ、月刊天文のテスト記事を読んだときにそのことが指摘されてたのを覚えています。凹凸レンズ完全分離型の、いわゆる「クラークタイプ」ですよね。その後タカハシが「Televue-85キラー」として「SKY90」を、同様の「クラークタイプ」を採用してアメリカ市場メインに投入。ただしTelevue-85もSKY90も、初期のロットは光軸ズレや芯ズレによる「アス」が出やすくて大変だったと聞いています。このときのセル設計のノウハウが、TOA光学系などに生きてるのではないでしょうか。
月刊天文にはTelevue-85の球面収差の「予想図」も載っていました。SKY90も球面収差がメーカーから公表されましたが、今回のFOA-60よりは各色毎の焦点位置のズレの差は大きかったです。どちらにしても、FOA-60のこの球面収差の少なさとまとまりにはビックリしますよね。
PERFETTO-80EDの球面収差図も公表してくれませんかね?(笑)

No title

> こもロハスさん、こんにちは。
クラークタイプという名称は単にレンズの置き方が似ていることから天ガの方が付けたものだと思いますが、Al Naglerは、彼が特定の光学デザイナー(クラークさんではありません)の"Spherochromatismを極少化する"という設計思想に共感し、その結果"widely air spaced doublet"を一貫した基本デザイン要素に織り込んでいる、という英文記事を読んだことがあります。彼が観察者であったが故のことでしょう。1982年登場の最初のMPTからその考え方が織り込まれており、具現化手法は特許化もされていましたが、既に特許権の存続期間は過ぎていますから各社が模倣してきているものと思います。
PERFETTO-80EDの色毎の球面収差図、見てみたいものですね。

No title

Long Perng S560G-Aの光学諸特性図は特別に依頼して入手できましたので、S800G-Aのものを比較で入手できないものか、聞いてみたいと思っています。

No title

> vet*71*2*0819さん
返信遅れましたm(_ _)m

S560G-A = BLANCA-80SED
S800G-A = PERFETTO-80ED

のことでしょうか?(^^;

No title

> こもロハスさん
S650G-Aは例のこもロハスさんが原村でご覧になった104mm3枚玉、
S560G-Aは同シリーズの85mm3枚玉、
ここまでは、スタークラウドさんやギガオプトさんからアナウンスされている鏡筒。
S800G-Aは笠井からPerfetto-80EDとして出た2枚玉のAPO屈折です。

No title

こもロハスさん

突然、失礼致します。
新しい双眼望遠鏡ショップが開業されましたので、ご連絡です。

因みにFOAを使ってこちらのショップで双眼望遠鏡を製作されても面白いかもしれません。
http://binotechno.com/product.html#EZM
このお店は開業されたばかりですが、ご興味がありましたら、是非、宜しくお願い致します。

ご連絡まで(*^^*)

No title

すみません。
申し遅れましたが、先程の投函者です。

宜しくお願い致します。


迷える観望人

No title

> tom*k*n282*0*さん
こんにちは。返信が遅くなりまして申し訳ございません。双眼望遠鏡なのですが、自分はなかなか踏み入れないでいます。総合コストが膨れ上がりそうで(汗)。
目が衰えたら考えます(笑)。
でも、ニッチな市場に多数の競合が出てくる日本の天文界は、まだまだ捨てたものではないですね。

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