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タカハシTSA102はどこへ・・・②

タカハシTSA-102は、今から9年前の2006年3月に発売されました。
 

 
それまでも実用上、十分な光学性能をもっていた、従来機の「FS-102」の発売から12年目のフルモデルチェンジでした。設計指針としては、当時、FSシリーズのフローライトレンズの相玉が、いわゆるエコガラスを使ってなかったため、エコガラス使用の設計に変更するためと。このころからデジタル一眼レフカメラでの天体撮影が興隆を迎えて、スタンダードモデルにも、いわゆる「青ハロ(g線)」を抑えた高い光学性能が求められたのが主な理由のようでした。その高性能ぶりは、当時の天文雑誌でも絶賛されていました。
 

「月刊天文 2006年7月号」
この記事では、「根っからのフローライト信者」と自認する筆者が、「あきらかにフローライトより高性能。」と認めています。
 

「天文ガイド 2006年9月号」
 

「天文ガイド2006年10月号」
 

「天文ガイド 2006年9月号」より抜粋。ロンキーテストの画像です。カラー掲載でないのが残念ですが、ここで筆者は、「過去にテストした、10㎝級アポクロマートの歴代最高」と評価しています。公平でなければいけない雑誌が、イチメーカーであるタカハシの製品このように評価するのはどうか・・・とも当時は思いましたが。以下のホームページに、各種10㎝級屈折望遠鏡(アクロマートを含む)のロンキー画像(カラー)が掲載されていますが、これを見ると、その評価が正しいことが分かります。
 
 
自分はTSAシリーズの120を所有していました。眼視観望に撮影に使ってみたりしましたが、眼視では色収差が認められず(アイピースの色収差が分かってしまうレベル)、撮影の元画像を見ても、あきらかにFSQシリーズより色収差が無く、シャープなことが分かりました。絶好のシーイング下。TSA-120の320倍で観望した木星は、ものすごい解像力だったことが強烈に印象に残っています。102は120より口径が小さくFも暗いので、その高性能ぶりは想像に難くありません。とにかく「良く見える」望遠鏡なのです。
 
この「良く見える望遠鏡」という評価が、最近はあまり聞かれなくなったと感じています。天体望遠鏡の性能評価が、とかく「撮影性能」を中心に語れることが多いので、「本当に良く見える望遠鏡とはどういうモノか。」があまり語られません。本来、天体望遠鏡とは、無限の彼方からやってくる微かな光をクリアに見せるために、最高の光学性能を持たせた光学機械であり、自分が天体望遠鏡そのものに興味が魅かれるのも、そのためです。大人気のFSQシリーズ。このシリーズも良く見える望遠鏡ですが、TSAやTOAシリーズと比較すると、明らかに色収差が分かります。様々な望遠鏡を覗き慣れた方ならすぐに分かるレベルです。
 
「中央遮蔽が無い、反射望遠鏡のような像。」

前回紹介したTSA-102の所有者の言葉。なるほど、言いえて妙だな・・・と感心した次第です。
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コメント

No title

そういえば最近の望遠鏡事情って、眼視性能よりも撮影性能に重視を置いた物がほとんどですね。

・・・私のような天文初心者に毛の生えた程度の者でも、ネットで簡単に情報が入手できるようになった事と、デジカメの普及や大陸製の安い機材が出回って来たおかげで、天体撮影を趣味にする人が増えたせいでしょうね。
しかし数の増加は質の低下。
天文趣味のハードルが下がり、裾野が広がるのは、私のような者にとっては正直ありがたい限りなのですが、それが逆に天体望遠鏡の本質的な性能を下げている事につながるなら残念です。

せめてこの趣味の人間の質だけは下げないように、星見の時のマナーや自身の行動に対する責任感は忘れずに、この趣味を続けるように心がけたいと思います。

No title

> kameさん
コメントありがとうございます。裾野が広がることはたいへん喜ばしいことです。ただ、ネットで簡単に情報が入手出来てしまうぶん、いろんな知識が系統立てられてない方々がいるな…とは思っています。

あと天体写真は、今や科学写真の枠を超えて芸術域まで高めらています。それは、デジタルセンサーの長足の発達の恩恵ですし、新たな分野で歓迎されるべきところです。

ただ。自分は天体望遠鏡で見る宇宙の世界から入って、子供でなかなか撮影も出来なかったので、望遠鏡で見る天体への思い入れはけっこうあります。自分が撮影 ⇆ 観望を行ったり来たりして落ち着かないのは、そんな理由があります。そして、良く見える望遠鏡にも、特別な思いがあります。

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