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「FSQ85ED」の眼視性能について

昨夜。ようやく新機材の「FSQ85ED」のファーストライトを済ませました。
 

 
自分の悪い癖で、このようなアストロカメラ的な性格を持つ機材でも、「眼視性能」が気になってしまいますし、我流ではありますが、その手のテストが好きでもあります。特に「FSQ」シリーズは「眼視性能」にもこだわりを見せる、「タカハシ」のフラッグシップ・シリーズなので、期待も込めてテストしてみました。
 
使ったアイピースやコンバージョンレンズは以下。
 
TeleVue Radian 3mm
PENTAX XO 5mm
TeleVve Plossl 20mm
タカハシ エクステンダーED 1.5×
TeleVue Powermate 5×
松本正立ミラーシステム(アメリカンサイズ用/ 銀メッキミラー使用)

いずれもマニアからも定評がある良品を使いました。劣悪な光学系での評価はフェアではありません。
 
観望対象は主に木星と月。スターテストにはぎょしゃ座β星(2等級)を使いました。
 
木星をまず見ましたが、一見して感じたのが「色収差がない」。高倍率性能を上げる・・・という専用のエクステンダーED 1.5×が無くても(以降、この状態を「素の状態」と呼びます。)木星の周りに色収差による着色はそんなに認められません。シンチレーションが悪かったのと、薄雲がかかってた関係で詳細な模様は確認できませんでしたが、この時点でこと「色収差」に関しては、数あるアポクロマートの中でも最高クラスであると感じました。

次に、ぎょしゃ座β星を見ます。ここでは主に焦点内外像をチェックして、球面収差の有無を確認しました。イメージは、内像のほうの干渉リングが若干不鮮明で、周囲に赤い色が着きます。わずかに色収差があるのと、負修正気味の球面収差があるようです。傾向としてはTSA120に似てます。負修正気味なのは、106のほうも同じで、タカハシの特徴かもしれません。ここでエクステンダーED 1.5×を着けてみました。そしたら焦点内外像の干渉リングもほぼ対称になり、色収差もかなり軽減しました。ただ内像と外像が逆対称に微妙に楕円形になってしまい、若干の「アス」が確認されました。しかし焦点像のエアリーディスクは、この望遠鏡の有効最高倍率に近いにも関わらず、かなり小さく収束して、あまり影響はないようです。もしかしたらエクステンダーのほうにレンズの僅かな傾きがあったが、装着時にネジで押すことによって歪みか芯ズレが生じたのかもしれません。いずれにせよ実害は無いです。本当にシャープな恒星像です。
 
次に月に向けます。素の状態で見ても、色収差の出やすい月の縁あたりを見ても、ほとんど着色はありません。よくよく見ると僅かに黄緑色が浮かんで、焦点内側にピントを外すと顕著に見えますが、この時点で「106EDより上」と感じました。次にエクステンダーED 1.5×を着けてみると、さらに色収差が少なくなります。なんだか反射系のような像質です。またエクステンダーを外して TeleVue Powermate 5×にPlossl 20mmをつけて見てみましたが、こちらも、専用エクステンダーまでとはいきませんが、素より色収差が少なくなる感じです。Powermate 自体に望遠鏡の色収差を補正する能力は無いので、どういう作用が働いて、色収差が少なく見えるか不思議なんですが・・・。高性能バローというのは、かなり高いポテンシャルと使いようがあるように感じました。
 
その後にFSQ106EDを、木星と月に向けてみました。口径が大きい分、光量が増えて、「アラ」が見えやすいのかもしれませんが、一見して85EDより色収差が大きいのが分かります。まあ、これとてほんの僅かですが・・・。以前、106EDとエクステンダーEDの相性について、土星で検証しました。そのときはあまり色収差も見えずに満足・・・と書きましたが、月くらいの光量があるとやはりダメみたいです。こうなると106EDの面目躍如のためににも、専用のエクステンダーQ 1.6×を購入してあげたくなりました。

総じてFSQ85EDは、小型ではありますが想像以上に高い眼視性能を有してることが分かりました。
 
誤解の無いように言っておきますが、タカハシはカタログでも「素の眼視性能は、106より85のほうが高い。」と謳っています。どちらの望遠鏡もかなり高レベルの色消し能力を持つアポクロマートで、いわば「頂上決戦」に近い差ですが。そのようなわずかな差でも、ごまかさずにカタログに記載するタカハシの姿勢は、やはり他メーカーより図抜けていると思います。

【2016年2月20日追記】
その後、新たに入手したTSA102Nと詳細に比較いたしました。その結果は「TSA102Nのほうが、色収差は少ない」。なのでTSAより色収差が少ないTOAのほうが、当然優れています。特に月のエッジ部分の黄緑の着色でその差は顕著でしたが、アイピースによる差もあるようです。
「色収差補正はTOA並み」という表現は、訂正させていただきます。申し訳ございません。
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コメント

No title

以前V社製品の品質についてコメントさせていただいたth2546です。
周りの星仲間からなんでと言われますがBabyQ、8:2の割合で眼視に使用しています。主にエクステンダー+NAV12.5-HWで使用していますが素晴らしい見え味と思っています。(あまり他の筒見たことありませんが)特に二重星に威力を発揮します。

No title

すごいですね。106に加えて85ですか~。
私はもっぱら撮影にしか使ってこなかったので、今度眼視に使っていたいです。

No title

> th2546さん
コメントありがとうございます。そして、そちらへのコメント。失礼いたしました(^^;; このところ自分のブログへも訪問してなかったもので。

自分もNAV12.5HWを所有してます。こんど試してみます。100度超えのフラットな視界…良さげですね。85は106より合焦ストロークが長いので、106よりそういう意味でも眼視向きです。

また、重星も魅力的ですよね。85で、乙女座のポリマなんか分離出来るか試してみたいですね。

No title

> くろさん
ぜひ眼視でも使ってみてください。このサイズだとポルタでも運用できますし、平日でも「ほんのちょっと…」のノリで持ち出せますので(^ ^)。やはり8cmクラスは一台あると重宝しそうです。

No title

TOA150,FSQ106EDに続いて85EDですか。
ガイド鏡にでも使うのですか?

No title

> ari*eoj*さん
いいえ。撮影用途としては、FS60CBと組み合わせて、いわゆる「ツインシステム」にしょうかと思ってます。ツインにすることによって、露出時間の短縮が図れればと思っています。この2本ならSXPで運用可能ですし。しかし、半分はコレクションのようなモノです(汗)。

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