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ビクセンの最近の品質管理とアフターフォローについて③

さて前回。具体例を出して、最近のビクセンの品質管理の杜撰さと、アフターフォローの酷さを指摘させていただきました。
 
いえね。本来はイチ天文ファンである自分がこんなことを書くのは、大メーカーに対して恐れ多いのですが。ちなみにここに書いてる内容については、ビクセンの社長のブログにもメッセージで簡潔に書き込んでおります。自分の書いたことの責任(ってほど大げさではないですがね)と、やっぱりビクセンには頑張ってもらいたいので。
 
ビクセンを非難してるばかりではないんです。例えばこのWebページを見てもらうと分かるのですが・・・
 
「光学テストのページ」
 
かなり昔からビクセンは良い仕事をしてるんです。もう20年ちかくなるでしょうか。天文ガイドに「望遠鏡鑑定団」という人気連載がありました。読者が所属する各同好会に出張して、同好会員が持ち寄った望遠鏡を、ロンキーテストにかけるという企画でした。これは面白かったですねえ~。単純ながら、天体望遠鏡の性能がハッキリと分かってしまう、「キワドイ」記事だったので、当時の天文ガイド編集部にはメーカーや販売店からクレームが多数寄せられたそうです。それでも当時の編集長は、「雑誌は読者本位であるべきなので、記事の掲載は続けます。」と。いまでは考えられないような気概を持っておられました。最近の天文雑誌。もうテスト記事すら載せなくなってしまいました。本来は天文雑誌がきちんと検証してほしいところなのですが・・・
 
さて話を戻しまして。ご存じのとおり、自分もビクセン製品(AXD赤道義、SXP赤道義)を使用しております。そして、SXP赤道義を誤って落下させて、三脚取りつけ架台部が破損した際などは、非常に安価に、良心的。かつ迅速に対応していただいたので、前回の書いた具体例について、じつは最初は半信半疑だったんです。しかしながら事例を事こまかに検証していくと・・・
 
① VC200Lの事例
→ 研磨が非常に難しい非球面ミラーの精度についてのクレーム。
 
② SXD赤道義の事例
→ 成形に非常に高度な精度が要求されるアルミダイキャスト部材。あるいは、高い歯面精度と組み付け精度が要求されるウォームギアの問題。
 
② AX103Sの事例
→ 通常の張り合わせ。あるいはスズ箔分離式の二枚玉レンズと比較して、はるかに調整が難しい、間隔の空いた三枚+一枚の対物系の問題。
 
そう。すべて、天体望遠鏡として、本来は一番コストをかけて製造、調整がなされてなくてはいけない部分なんです。翻って自分の受けたアフターフォローは・・・。もうお分かりだと思います。いまのビクセンは、どうも(少なくともマニアにとっては)天体望遠鏡として一番コストをかけなくてはいけないところを、意図的に「手抜き」をしてるのでではないかな・・・。そんな疑念が拭えないのです。
 
さて最近のビクセン。レーザー干渉計導入、アニール処理、Zygo・・・うんちゃら、かんちゃら、意味の分からない専門用語を並べて、高品質を謳い。目が飛び出るような高価な機材を出して、マニアの要望にこたえようとしてる姿勢を見せていますが、自分は言いたい。
 
既存の製品と、既存のユーザーを大切にしろ
 
と・・・
 
例えば。以前からここにも書いてますが。「EDアポシリーズ」。このシリーズ光学性能の素晴らしさは、様々なWebページにも書かれてますし、自分もED81Sを使用していましたので実感しています。しかし、なにぶん各種コンバージョンレンズがショボイ・・・。特にレデューサーが惜しい。多少高価でもタカハシのように「フルサイズ周辺まで〇〇ミクロンの星像と豊富な光量を高い縮小率で実現!!」なんて出したらヒット間違いないですよ。ビクセンEDシリーズは、価格と性能のバランスがいいのでユーザーが多いですし。でも撮影を始めると細かい「アラ」に気づいてタカハシにいっちゃうわけです。ビクセンの本来の狙いは、そこでビクセン製品にとどまってほしいはずだと思いますし、「星ナビ」にAX103Sのテスト記事が掲載されたとき、メーカー担当者の方はそう言っていたと記憶しています。

次にVC200L。最初に球面球を機械で自動で磨いて。メッキの際にアルミ被膜の厚さをコントロールして蒸着し。非球面を形成する技術をR200SSが登場した20年以上前に確立して出来るようになった、「6次非球面」採用の超・意欲作のはずです。なので、その技術の精度をもっと高める努力をしてほしいと思うし、多少高くなってもキチンとした製品を市場に出すようにしてほしいです。VISACの設計自体は、本当に素晴らしい物なのですから。勿体ない!!
 
さらにAX103Sです。「星ナビ」での「VSD100F3.8」のテスト記事にビクセンは豪語してました。「各種の設備投資により、部品の加工精度を高め。この難しい光学系を、ただマニュアル通りに組み立てただけで精度が出るようになってる。」と。それが事実であるなら、早急にAX103Sにその技術をフィードバックするべきです。
 
残念ながら。現在のビクセンは迷走してる感じが拭えません。ただ今どきではめずらしく積極的に設備投資をし、マニアをもうならせる製品を出そうとしてる意欲は高い評価に値します。しかしながら以前のビクセンの良さ。それが何であるのかあえてここでは書きませんが、それを失っていってるようで感じがしてなりません。30年前。自分が理科の先生に初めての望遠鏡の購入を相談に行ったとき。ビクセンは「玩具メーカー」と揶揄され、鼻にもかけてもらえないような。そんなメーカーでした。しかし、この30年でそんな評価は完全に過去の物となり、タカハシと並んで、日本の天体望遠鏡のトップメーカーに君臨しています。そこまで出来たのはどうしてなのか。そこをいまのビクセンには考えてもらいたい。イチ天文ファン。イチ ビクセン ファンとしては、そう願って止みません。
 
 
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コメント

No title

カセグレン系の光軸調整は難しいんですよ。
純カセはそれほどでもないんですが・・・補正レンズが使われているシュッミットや非球面鏡を使った物は大変なんです。素人にはほとんど不可能です。メーカーが調整できないというのはどうかと思いますが・・・。

No title

farm.Iさん

はじめまして。コメントありがとうございます。富田弘一郎先生が執筆した「天体望遠鏡をテストする」。自分はリアルタイムでは読んでませんが、うわさには聞いています。「この望遠鏡を使う青少年が、将来、天文学を背負っていくかもしれない...ということを肝に命じて造っていただきたい。」。と言ったのは伝説ですね。今の天文雑誌には、残念ながらそのような気概は感じられません。この情報社会で雑誌の地位が低下して、苦しい台所事情なのは分かりますが...残念ですね。

富田先生のほかにも、すばらしいテスト記事を書かれてた方がいます。自分が好きだったのは、「月刊天文」の阿部賢二さんと木村陽一さんでした。お二人とも「光学系マニア」なだけあって、いろいろ勉強になりました。いいところはいい。悪いところは悪い。とハッキリ言ってましたし。最近、天体撮影を始めた方の中の多く方が。実は望遠鏡や赤道義のメカニズムがよく分かってないと思われる節があります。それが原因でメーカー側といらないトラブルになってる例も聞きます。今こそ、責任ある立場の方が、しっかりとしたテスト記事を書いてほしいな...そう思い

No title

ari*eoj*さん

カセグレン系は光軸調整も難しいですが、主副鏡とも非球面なので、マッチングが、実は一枚一枚がオーダーメイド単位で厳しいんですよね。そこでビクセンの「アルミ蒸着膜厚制御による非球面形成」の技術は、本来、望遠鏡製造上の一大革命と言っても過言ではないんですよ。しかし、現在のビクセンのカタログとかを見ても。VC200Lとか、「もう生産終了になるんじゃ...」と思わせるほど、力が入っていません。大口径を安価に入手できる反射系。特に非球面を多用するけどコンパクトになるカセグレン系を、ビクセンの技術でもっと品質向上していけば。すごいことになると思うんですがねえ...

No title

...と思ってたら、上でご紹介した阿部さんのブログを発見しました。

興味がありましたら、読んでみてください。

Zeiss Telementor World
http://blogs.yahoo.co.jp/abe1998

No title

こもロハスさん、初めまして。
お名前は阿部賢二さんではなく、安部賢一さんですね。
勝手に横槍を入れてすみません。

No title

fmasaさん
ご指摘ありがとうございます。コメント欄の訂正はできないようなので、ここで訂正させていただきます。

阿部賢二さん → 阿部賢一さん

よろしくお願いいたします。

No title

初めて書き込みさせていただきます。
確かに、V社の対応はかつて程ではないかもしれません。
小生は、反射鏡の再メッキを依頼したのですが、
現在はもうこのサービスはやっていないとのことで断られました。
あとは、赤道儀のオーバーホールをお願いしたのですが、
モーターコントローラーの不調に関しては、対処できませんとのことでした。
現行代替品の紹介くらいして欲しかったなぁ・・・・・

本来の光学機器は一生ものでしょうが、
最近は買い替えた方が賢明ということもあるでしょうね。
それに、現在は昔と違って安価で高性能な海外メーカーとの競争もあるでしょうから、
経営的にかなり厳しい時代であるということも理解できます。
となると、利益を上げにくいアフターサービスの部門は縮小するのかもしれません。

今の機材を手放して新しい機材を購入することはないと思います。
V社の機材は一生付き合うだけの価値があると思っていますから。
せめて外注でもいいからアフターサービスの体制を整えて欲しいと思います。

No title

ウラカンさん

反射鏡の再メッキができない…。いや、ほんと、なんと言ったらよいか…(-_-;)これで自分が予想していた、ビクセンのメーカー方針が確信に変わりました。

この記事を書いてから、コメント欄だけではなくて、メッセージでも情報が寄せられています。ビクセン。いったい何がしたいのか…?

自分がタカハシを持ち上げるのは、性能はもちろんですが、それだけではないんです。ある程度採算度返しで既存ユーザーの声を製品に反映させてるからです。例えば昨年出たTOA用の新型レデューサー。実際に手にして使ってみると、むしろ安く感じるほどです。たぶん儲けはそんなに出てないと思います。

いまのビクセンは、VSDにしてもタカハシFSQほどの性能を有していないのに(あっ、言っちゃった…💦)、いままでビクセンが得意としていたコストパフォーマンスやアフターフォローの優秀さを捨ててしまったら、ビクセンなんて要らないですよ。中国製で十分です。

ビクセンの新しい社長は、たいへんな野心家だと聞いていますが、本当に星の魅力が分かってるのか…。甚だ疑問ですね。

No title

ウラカンさん

補足しますと。ビクセンが民間企業である以上、利益を追求するのは当然です。しかし、記事にも書きましたが、天体望遠鏡メーカーとして、コストをかけるべきところにかけないで手抜きをして、宙ガールなどのキャンペーンや、VSDのような高価な機材での「ポーズ」のほうばかりにコストをかけてるのが許せないです。昔の…少なくとも10年前までのビクセンは、そうではありませんでした。いままでのビクセンの製品を見てみれば分かります。

ユーザーをバカにしてるようで、甚だ不愉快です。ビクセンがビクセンたる由縁…そこを思い出してほしいですね。

No title

けっこう骨のありそうなブログですね。ゆっくり観させてもらいます。

No title

ari*eoj*さん
一応、30年近くこの業界は外からですが見てますし、機材オタクでもありますので....

No title

はじめてコメントさせていただきます。

ビクセンの最近のアフターの悪さには私も泣かされています。
現在、SXPを使用していますが、既に3回、入院しています。

現在もビクセンとやりとりしている最中ですので詳細は書けませんが、正直買ったばかりの製品が短期間の内に三回も入院を余儀なくされ、しかも出ている症状が全て異なるというのは製品管理が全くできていないのではないか?と疑ってしまいます。

ビクセンは星見を始めてからずっと大好きなメーカーだったのですが、ここ最近の迷走ぶりを見ていると「タカハシに乗り換えた方がいいのではないか?」と悩んでいたりします。

通りすがりのコメント、申し訳ありません。
また、寄らせていただきます。

暑い日が続きますがご自愛下さい。

No title

ひろしさん

具体的にはどのような症状なのでしょうか?

自分のSXP赤道義は初回ロットですが、不具合でメンテナンスに出したことがありません。もし、だんだんと製品管理が甘くなってるなら、別メーカーに乗り換えるのも良い選択かもしれません。

正直言いまして、SXP赤道義を所有するメリットは、「STAR BOOK TEN」の使い勝手しか思い当たりません。自動導入だけなら中国製の安い製品でも対応してますし、オートガイドも最近はスタンドアローンでもいい物が出てきてますし、最近大幅に安くなった高感度Webカムとノートブック等を組み合わせたりするのも、ガイドマウントが不要になってむしろ使い勝手がいいかもしれません。

No title

つづきです。

これだけ製品不備や、メンテナンス体制が劣化してるとしたら、もはや「国産」というメリットも持ちあわせていません。販売店はビクセンの営業担当者と繋がってるので、ビクセンを薦めてくるかもしれませんが、一度、機材に詳しく客観的にアドバイスをくれる方に相談されるのがいいかもしれませんね。

例えば、セレストロンの「Advanced-VX」という赤道義は、かなり良い赤道義でコストパフォーマンスも高いようですよ。

No title

こんばんは。返信ありがとうございます。

1回目は星本の不具合、2回目はがたつきの調整で、3回目はいきなりモーター回らなくなり赤緯側が熱くて触れないほど加熱するという症状です。担当者の対応も「そんな症状は聞いた事もない」とかなりな上から目線で、さも、使い方が悪いのではないか?という調子です(苦笑)

どういう使い方をすればモーターが回らなくなり架台自体が触れないほど熱くなるのか逆に教えて欲しいくらいです。

セレストロンは安価な割に出来がいいという評判を聞いています。

ただ、もうこここまで来ると半ば意地でビクセンに付き合おうかという気にすらなっています(苦笑)

もう、ずいぶん前ですがSXWを使っていて、不具合が起きた際には担当者がとても親切に対応してくれて、そのイメージがあっただけにガッカリしていたりします。

昔日のビクセン、今いずこ?という感じですね(苦笑)

No title

ひろしさん

あらら...。もう自分はビクセンには見切りつけます。これ以上新規にビクセンの製品を購入することはないでしょう。いま所有してるSXPやAXDも壊れるのが怖いですよ。まあ、赤道義はよい仕事をするサードパーティーの存在がありますので、なんとかなりそうですが。

ビクセン。ほんとうにユーザーフレンドリーないいメーカーだったのに、こんなカタチで見切りをつけるのは残念ですし寂しいです。

No title

こもロハスさん

おっしゃる通りですね。私が星見を始めようとした時に右も左も分からないままビクセンに電話をしたら1時間以上もいろいろと教えてくれたのが遙か昔の様な気がします(苦笑)

私も今度、手持ちの機材が壊れたら運命と諦めて乗り換えを検討しようと思います。

何度も申し訳ありませんでした。

No title

ひろしさん

いえ。こちらこそご報告ありがとうございました。自分もAXDを導入したとき、ちょっとしたことをビクセンに相談したことがありますが、それは丁寧な対応でした。一年ちょっと前です。その後、ビクセンの対応が悪いという報告が、続々と上がってきています。この一年でメーカー方針が変わったんでしょうか...。

結局、長く。信頼して付き合えるメーカーは「タカハシ」になってしまうんですかねえ。自分も鏡筒はタカハシだけになってしまいました。

手持ちのビクセン機材が壊れたら、タカハシにします(笑)

No title

いやあ~タイムリー!!最近Yahoo全然見ておらず、今日数か月ぶりに読んでいました。
それこど数か月ぶりに望遠鏡を引っ張り出して自宅でテスト撮影したのですが、AX103Sは改めて素晴らしいと感じた反面、専用レデューサーがダメダメ・・・せっかくのフラットフィールドなのに、レデューサーつけると周辺が荒れてくるし星像もシャープじゃないし。素人の僕が感じてしまうレベルですから相当なものだと思われます。
確かに今の素晴らしい技術をAX103Sに還元してほしいです・・・
光軸はまだズレたままです!!(爆)

No title

院長

こちらではお久しぶり~( ̄▽ ̄)

そうそう。院長のAX103S。ほんと素晴らしい望遠鏡なのに。残念ですよね。

VSDのレデューサー。やっと出たんですが、なんか中途半端ですし…。ビクセンはレデューサーには力入れないんですかね。なんか中途半端すぎます。

ただ、最近、地元のある天文イベントに参加したんですが、地味にそういうイベントをビクセンがフォローしてるんですよ。そういう姿勢はかなり見直しました。

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